「幽霊なるもの」(ビアス)
「虚飾を排して読み手の想像で補完させる」という文体 「幽霊なるもの」(ビアス/小川高義訳)(「アウクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 カミングス牧師がベイカーの農地を馬車で通りかかるとき、橋に立つ人影が目...
「虚飾を排して読み手の想像で補完させる」という文体 「幽霊なるもの」(ビアス/小川高義訳)(「アウクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 カミングス牧師がベイカーの農地を馬車で通りかかるとき、橋に立つ人影が目...
「死」という素材を用いて編み上げた短篇 「板張りの窓」「豹の目」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の目」) 光文社古典新訳文庫 森の奥に住んでいるマーロックは、病で妻を亡くす。悲嘆に暮れたまま眠りに落...
ビアスの場合、その「素材」がすべて「死」 「良心の物語」「夏の一夜」「死の診断」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 ホーヴァーはフレイリー医師に健康上の相談をしていた。避暑...
日米恐怖小説合戦の様相を呈しています 「百年文庫017 異」ポプラ社 「人でなしの恋 江戸川乱歩」並外れた美男子と結婚した「私」は、夫が夜更けになると床を抜け、土蔵に行くことに疑惑を感じる。闇の中、手探りで梯子段を登り、...
真実はどこにあるのか 「月明かりの道」(ビアス/小川高義訳) (「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 「私」が19歳の頃、父の緊急の電報で郷里に帰ると、母が何者かに殺されたという。その日以来、父は...
最後の2行に仕掛けが施されています 「アウルクリーク橋の出来事」(ビアス/小川高義訳)(「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」) 光文社古典新訳文庫 ファーカーは今や橋の上で絞首刑になろうとしていた。足元の板が外され、彼は...
自分で自分を縛り上げている 「人間と蛇」(ビアス/西川正身訳) (「百年文庫017 異」)ポプラ社 「蛇ノ眼ハ一種ノ磁力ヲ有シ、 何人ト雖モ、 一度ソノ力ニ捕エラルルヤ、 自ラノ意志ニ反シテ引寄セラレ、 蛇ノ一咬ミニヨッ...